2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ組織制御により準安定溶融する高融点用鉛フリーはんだの開発
Project/Area Number |
16656228
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 紘二郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70026277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 明夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70144433)
上西 啓介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80223478)
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Keywords | 高融点鉛フリーはんだ / ナノ組織制御 / 化合物化 |
Research Abstract |
本研究では、高融点、高信頼性鉛フリーはんだに適用するために、Sn基はんだにおけるナノ組織制御およびナノ粒子材料を利用したプロセスを開発することを目的とした。本年度においては、Sn-AgはんだとNi基合金とを複合化し、リフローによるSn-Agはんだの溶融を契機としてNi基合金との反応による化合物形成を利用した高融点化を検討した。Sn-Agはんだと純Niとを複合化した場合は、Ni_3Sn_4層が両者の化合物層として形成するが、この金属間化合物の成長速度は遅く、また化合物中でのNiの拡散速度も遅いため十分な化合物化が生じなかった。これに対して、Niに合金元素としてCoを添加すると急速な化合物化が生じ、240℃のリフロー保持過程ではんだ部は完全に化合物化し、240℃への再加熱によっても溶融せず、高融点化が達成された。この急速化合物化のメカニズムを解明するため、透過型電子顕微鏡を用いた詳細な検討を行った。その結果、Sn-AgはんだとNi-Co合金の界面には準安定な(Ni, Co)Sn_2化合物が生成し、はんだ部はNi-Co-Sn3元化合物の形成により化合物化することが分かった。(Ni, Co)Sn_2相は柱状の微細ナノ結晶構造を有しており、その構造に起因してNiおよびCoのはんだ中への高速拡散が生じ、はんだ部が急速化合物化されることが分かった。また、Niへの添加元素として他の合金元素の効果についても検討を行い、遷移元素の添加により化合物化が促進される可能性があることが分かった。粒子サイズのナノスケール化による融点制御に関しては基礎的な検討を行い、例えば粒子径を10nm程度とした銀ナノ粒子では150℃の低温から凝集・バルク化が生じ、焼成後は銀の融点まで高融点化することが分かった。
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Research Products
(1 results)