2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00280884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 博之 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10193608)
光田 好孝 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (20212235)
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Keywords | チタン鉱石 / プリフォーム還元法 / 原料成形体 / 金属熱還元法 / 選択塩化 |
Research Abstract |
現在のチタンの製造プロセス(クロール法)では、酸化チタンの品位が90%以上のアップグレード鉱石(高品位鉱石)を原料として用いているが、高品位鉱石の使用はチタン製錬のコストを上げる主な要因となっている。チタンの生産量は年々増大しており、今後も一層の需要拡大が見込まれるため、資源も豊富で廉価な低品位のチタン鉱石を利用する新しいタイプのチタン生産技術の確立は緊急かつ重要な課題である。 本研究は、現行のクロール法(塩化製錬法)からの脱却を目指し、チタン鉱石をプリフォーム原料として利用する新しいタイプのチタン製錬法の可能性を追及する。 本年度はチタン鉱石の選択塩化・脱鉄反応や塩化物廃棄物から塩素を有効利用する方法の可能性について熱力学的な反応解析を行った。チタン鉱石の選択塩化・脱鉄プロセスでは、チタン鉱石にMgCl_2もしくはCaCl_2を混合して炭素飽和雰囲気中で加熱すると、チタン鉱石中の酸化鉄(FeO_x)はFeCl_2として揮発除去することが可能であり、鉄濃度の低いチタン鉱石を得られることがわかった。また、上記解析において見出されたパラメータにより実験を行ったところ、チタン鉱石中の鉄濃度が50mass%から0.5mass%まで減少し、鉱石中の鉄はFeCl_2として回収することができた。さらに、得られたFeCl_2から塩素を回収する実験を行ったところ、FeCl_2とTiを混合し加熱することによってTiCl_4もしくはTiCl_3とFeが得られ、FeCl_2から塩素を回収することができた。
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