2005 Fiscal Year Annual Research Report
深紫外発光デバイスに向けた単結晶窒化アルミニウム薄膜の新作製法
Project/Area Number |
16656233
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福山 博之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (40252259)
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Keywords | 窒化アルミニウム / サファイア / 還元窒化法 / 薄膜 / 紫外発光素子基板 |
Research Abstract |
AlNやGaNなどのIII族窒化物半導体は,サファイアなどの基板上に各種の気相成長法によって成長させなければならないが,基板との格子不整合が大きいため,未だに欠陥の少ない窒化物薄膜を得るのはきわめて難しい.特に紫外発光素子として必要不可欠なAlGaN系半導体を積層するためには,高品位の単結晶AlN薄膜を基板として用いる必要がある.本研究の目的は,既存の薄膜作製技術に依らないまったく新しい単結晶AlN基板の安価で簡便な方法を確立することである。本研究では,AlN-Al_2O_3-C-N_2-CO系ポテンシャルダイアグラムに基づき,炭素共存下でN_2-CO混合ガスを用いて,サファイア基板の窒化を行った.c面(0001)に切り出したサファイア基板を,所定の温度およびN_2-CO混合ガス雰囲気下で一定時間保持した後,X線回折(XRD)による相同定,極点図形による結晶方位関係の解析,ωモードロッキングカーブによる結晶配向性の評価,高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)による断面観察,レーザー顕微鏡およびプローブ顕微鏡(SPM)による表面観察を行った.2θ/ω-XRDの結果から,c面サファイア基板の面上には,c軸配向したAlNが生成していることが分かった.また,極点図から,Al_2O_3[2-1-10]方向とAlN[1-100]方向が平行である,つまり,サファイアの(0001)面とAlNの(0001)面が30°回転方向にずれていることが分かった.また,サファイア基板/AlN膜断面のHRTEM像から,AlN膜内に貫通転位等の結晶欠陥は確認されなかった.サファイア/AlN界面に周期的にミスフィット転位が挿入されており,これによって界面の不整合が緩和されていることが分かった.
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