2004 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロ・アコースティック限外濾過によるナノ粒子充填層の湿式構造制御
Project/Area Number |
16656238
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
入谷 英司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60144119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 康人 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30303663)
片桐 誠之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00345919)
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Keywords | ナノ粒子 / 膜濾過 / 濾過ケーク / 電場印加 / 超音波照射 / 構造制御 / 空隙率 / 濾過比抵抗 |
Research Abstract |
ナノ粒子の充填によって構成される多孔質材料の製造を目的として、簡便かつ大量に充填層を形成させることが可能な膜分離法に着目し、ナノ粒子懸濁液を膜分離することによって多孔質成形体の原形となるナノ粒子充填層を膜面上に形成させる手法について検討した。この場合、膜のみのプロセッシングによって充填構造を自由自在に制御するのは不可能なため、エレクトロ・アコースティック効果、すなわち超音波の照射による粒子の分散状態の制御と電場の印加による粒子の配向性の制御との複合効果を膜分離プロセスに新たに導入し、充填構造の自由な制御を試みた。 本年度は、電場印加と超音波照射による充填構造制御の可能性を検証し、基礎的な操作指針を得ることを目的として、サブミクロン微粒子スラリーのエレクトロ・アコースティック精密濾過を行った。 pHやイオン強度を調節することにより種々の凝集状態にある微粒子懸濁液を作製し、これに超音波を照射して微粒子の凝集状態の変化を測定した。この結果に基づき、スラリーの溶液環境および超音波照射条件を決定した。また、微粒子スラリーに電場を印加し、粒子の界面動電現象を観察することにより適切な電場印加条件を決定した。 超音波を照射しつつ膜濾過を行ったところ、超音波を照射しない場合と比較して、均質な充填構造をもつケーク層が形成された。一方、電場を印加して膜濾過を行ったところ、粒子が膜面に引きつけられる方向に電場を与えた場合には密なケークが、反対方向に電場を与えた場合には疎なケークが形成された。さらに、これらを組み合わせたエレクトロ・アコースティック膜濾過を行うことにより、濾過ケークの充填構造の効果的な制御が可能となり、本法の有効性が示された。
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