2004 Fiscal Year Annual Research Report
高透過速度を有するゼオライトナノクリスタル触媒膜の開発と反応分離プロセスへの適用
Project/Area Number |
16656241
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20165715)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 俊郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30163794)
多湖 輝興 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304743)
|
Keywords | ZSM-5ゼオライト / ゼオライトナノクリスタル / 固体酸 / 界面活性剤 / ナノクリスタル積層触媒膜 / 酸量 / MTO反応 / オレフィン |
Research Abstract |
ゼオライトは、高表面積、固体酸性と分子篩能を有するために、吸着剤や触媒として工業的に広く使われている。触媒として用いる場合、ゼオライト結晶内における原料分子の反応速度に比べて、その拡散速度は遅い。結晶内ミクロ孔における原料分子の拡散の影響を低減するには、結晶サイズがナノメータスケールのゼオライトナノクリスタルを用いることが有効であると考えられる。そこで本研究では、界面活性剤/有機溶媒/水から成るマイクロエマルションを反応場に利用し、酸点を持つ均一なMFI型ゼオライトナノクリスタルの調製を検討した。シリカとアルミナの原料金属アルコキシドとテンプレートを含む水溶液を界面活性剤/有機溶媒溶液に投入し、マイクロエマルション相を形成する溶液を調製した。この溶液をオートクレーブに投入し、100℃〜160℃の水熱条件下でゼオライトナノクリスタルの合成を行った。 原料金属アルコキシド濃度、テンプレート濃度を変化させることにより、結晶サイズが150nm〜500nmの範囲で制御された単分散なゼオライトナノクリスタルが得られた。X線回折法とラマン分光法により、得られたゼオライトナノクリスタルの結晶性を評価したところ、粒子表面まで結晶性に優れていることが明らかとなった。更に、加えるアルミニウム量によって酸量の制御が可能であった。界面活性剤/有機溶媒中で合成する本法では、100℃24hでゼオライトナノクリスタルが得られたことから、通常の水溶液系での合成法と比べ、核発生と結晶化が進行しやすいことが考えられた。 次年度は、結晶サイズの異なるZSM-5ゼオライトナノクリスタルを用いて触媒膜型反応器を作製し、メタノールからのオレフィン合成反応(MTO反応)実験を行う予定である。
|
Research Products
(7 results)