2004 Fiscal Year Annual Research Report
低温液相メタノール合成用触媒の固体化による無循環,99%一段合成の研究
Project/Area Number |
16656247
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋鹿 研一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20016736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲津 晃司 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 助手 (70272698)
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Keywords | メタノール合成 / 低温液相メタノール合成 / ギ酸メチル中間体 / 陰イオン交換樹脂 / ラネー銅触媒 / メトキシド交換樹脂 / 金属触媒 / 合成ガス |
Research Abstract |
メトキシ化したTSA1200とラネーCuをメタノール-トリグライム溶液に加え,5MPaの合成ガス中100℃におけるメタノール合成(式1)を行った。反応開始当初、主に昇温過程で見られる速い圧力減少はカルボニル化(式2)によるCO減少であり、これはメトキシ化TSA1200が触媒となるためCu量によらない。100℃に達してからの圧力減少は主にギ酸メチルの水素化(式3)によるもので、Cu量に依存するとともに、カルボニル化と比較して遅いことが分かった。ラネーCu 2g、4hではCO転化率は76%,生成メタノールは19mmolで,46mmolのギ酸メチルが残存していた。メタン等の副生成物は見られないことから、Cu触媒量を増やす、あるいは反応時間を長くすることで,残存しているギ酸メチルをメタノールに転化することができると考えられる。 CO+2H_2→CH_3OH (1) CH_3OH+CO→CH_3OCOH (2) CH_3OCOH+2H_2→2CH_3OH (3) 4時間の反応後2回合成ガスを追加し、2回目は4時間、3回目は10時間の反応を行った。1,2,3回目のCO減少(式2)はそれぞれ57,41,26mmolで、次第に少なくなっていくが,これは1,2回目の終了時,2式の反応が遅いためギ酸メチル及びそれと平衡にあるCOが残っているためである。水素化(式3)によるメタノール生成の速度は落ちない。最終的なメタノール生成量は59mmol、残存しているギ酸メチル量は71mmolであった。物質収支は良く合っており,合成樹脂-Cu系は失活せずメタノール合成の触媒となっていることが分かった。 ギ酸メチル水素化の結果からも推測できるように、合成樹脂-Ni系では、ギ酸メチルは生成したがメタノールの合成は確認できなかった。合成樹脂-金属触媒系においてはCuが優れていることが示された。
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Research Products
(7 results)