2004 Fiscal Year Annual Research Report
構造規定されたゼオライトのミクロ細孔を分子反応場とする不斉光化学反応の制御
Project/Area Number |
16656251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 弘巳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40200688)
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Keywords | ゼオライト / 光化学 / ミクロ細孔 / 分子反応場 / 不斉合成 / メソポーラス / 光触媒 / 可視光 |
Research Abstract |
ゼオライトのミクロ細孔内に不斉環境を導入し、これを分子反応場として不斉光化学反応を行い、不均一反応によるキラル化合物の高選択的合成の実現を目指した。また、キラルなゼオライトを合成する試みも検討した。キラルな有機低分子ゲルを構造規制剤としてキラルな細孔空間を実現できる可能性もあり、キラルなゼオライトの合成も試みた。たとえ、低キラリティーのゼオライトであっても、不斉自己増殖反応を組み合わせることでナノ空間内において高選択的に不斉化合物が合成できる可能性がり、これらの可能性の存在を明らかにするよう検討した。 構造規定されたゼオライトのミクロ細孔内に不斉環境を導入し、これを分子反応場として不斉光化学反応を行い、不均一反応でありながらキラル化合物の高効率高選択的な合成の実現を目指した。 ゼオライト細孔内においてアルキルエーテルの不斉光環化反応や環状オレフィンの不斉光異性化反応の制御を試みた。例えば液相中での光環化反応ではキラル誘導体が共存してもラセミ体しか得られない。キラル誘導体で修飾したゼオライト細孔を反応場として光環化反応を行うとキラル化合物が生成した。水酸基、アミノ基、アリル基などの官能基を有する種々のキラル誘導体の利用を試み、高い選択性の実現を目指した。 また、キラル誘導体の水酸基、アミノ基、アリル基と反応基質(エーテル)のカルボニル基、メトキシ基との間の水素結合や細孔内でのカチオンとキラル誘導体および反応基質との静電的相互作用が反応基質の立体配置に制限を加えることで、選択性の制御を試みた。すなわち、立体規制のあるゼオライト細孔内で、カチオンを介したキラル誘導体と反応基質の強い相互作用の存在が高いキラル選択性をもたらすと考えられた。
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