2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞表面・DDS用微粒子表面相互作用のAFMによる評価法の開発
Project/Area Number |
16656257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東谷 公 京都大学, 工学研究科, 教授 (10039133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福森 義信 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (60102927)
宮原 稔 京都大学, 工学研究科, 教授 (60200200)
神田 陽一 京都大学, 工学研究科, 助手 (60243044)
新戸 浩幸 京都大学, 工学研究科, 助手 (80324656)
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Keywords | 付着力 / 原子間力顕微鏡 / DDS / 細胞 |
Research Abstract |
ドラッグデリバリーシステム(DDS)に用いる粒子は、ターゲットがガンの場合、血管壁透過が可能でかつ腎臓で濾過されない大きさ、すなわち粒径50〜100nmが期待されている。しかしこの小さな粒子と細胞の相互作用や粒子の行方のその場観察のためには、光学顕微鏡は使用できない。そこで、その場観察可能な手段の二つとして原子間力顕微鏡(AFM)が考えられるが、生きている細胞をAFMでその場観察した例は少ない。そこでまずAFMで細胞を安定的にその場観察する手法の開発を行った。その結果、通常のAFM用探針では先端が尖鋭すぎて軟らかい細胞を変形させたり細胞膜を突き抜けてしまい、生きたままのその場測定が困難であるが、コロイドプローブ等の先端が鋭くない探針を用いると、安定的にいつでも測定できることを明らかにした。もっとも安定的に測定できたのは粒径3μmの球形粒子を接着して作成したコロイドプローブであった。また細胞-粒子間相互作用の測定を試みた。細胞は大変に軟らかく、数μmオーダで厚みが変化する。また付着力は、接触時間に依存する。30分〜1時間接触後には大きな付着力が現れるが、10分程度の短い時間では、付着力はあまり顕著ではない。またこの付着力は、細胞の種類や表面の状態により異なり、細胞と押し付けているプローブ表面との親和性に依存すると考えられる。現在のところ、どちらかというと疎水性の表面との付着力が大きい傾向があるが、大きくばらついており、今後詳細に検討する必要がある。
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