2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656259
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
|
Keywords | 植物細胞壁結合タンパク質 / 細胞壁結合性アミノ酸領域 / セルロース結合ドメイン / 西洋ワサビペルオキシダーゼ / 白色腐朽菌Mnペルオキシダーゼ / ファイトレメディエーション / 高効率翻訳領域 / 分泌シグナルペプチド |
Research Abstract |
環境汚染物質の中でも、特に環境ホルモン活性を有する一群の化合物が問題となっているが、これらの多くはフェノール系化合物である。西洋ワサビ(Armoracia rusticana)ペルオキシダーゼ(HRP)は、フェノール系化合物の酸化重合反応による浄化に有用であり、また白色腐朽菌(Phanerochaete chrysosporium)のMnペルオキシダーゼ(MnP)はフェノール系化合物を含む芳香族化合物を分解すると考えられており、ダイオキシン、PCB、農薬等の分解が期待されているリグニン分解酵素である。 そこで、昨年度までにタバコ培養細胞(BY2細胞)での分泌生産に成功したHRPに加え、Mnについても分泌生産の検討を行った。本研究では、分泌効率を高めるために宿主のBY2細胞で高レベルに分泌されるタンパク質(38kDaPRX、β-D-glucanexsohydrolase)に由来するシグナルペプチドを利用した。また、タンパク質の生産量を高めるために、高効率翻訳領域として機能するアルコールデヒドロゲナーゼ5'UTR領域(NtADH-5'UTR)を付加した。 5'UTR領域および分泌シグナルを融合したMnP遺伝子をアグロバクテリウム法によってBY2細胞に導入し、発現量が異なるクローンを選抜した。選抜後液体培地に移し、培地中に分泌されたMnPのウェスタン解析を行った結果、目的のバンドが検出され、MnPを分泌生産するBY2細胞を取得した。次に、酵素活性を検討したところ、形質転換BY2細胞において生産されたMnPが酵素活性を持つ事を確認した。 さらに、分泌性の有用酵素を植物細胞壁に固定するため、植物細胞壁結合性アミノ酸領域あるいはセルロース結合ドメインをコードした遺伝子断片をそれぞれクローン化し、分泌型HRPまたはMnPのC末領域に融合したキメラ遺伝子の構築を行った。
|