2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656264
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
麻生 茂 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (40150495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 泰寛 九州大学, 大学院工学研究院, 講師 (80380575)
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Keywords | レーザー推進 / デトネーション / 宇宙推進 / 人工衛星 / 電離気体 / 逆制動輻射 / レーザー / プラズマ |
Research Abstract |
本研究の目的はLaser Supported Detonation (以下LSDと称す)を実験的に実現することである。LSDとはプラズマ化した気体にレーザー光を照射し、プラズマが吸収したエネルギーにより、衝撃波がその背後のエネルギー吸収帯(衝撃波によって電離した気体からなる)とともに自走する現象である。また、その伝播速度は10000m/sに達するため、外部から照射されるレーザー光を用いて発生させたLSDにより気体(推進剤)を加速すれば、少ない推進剤で大きな推力を得ることができることが知られているが、未だこれを実現した研究報告は存在しない。本研究では、これを実証することにある。 これを実証するためには気体を何らかの方法でプラズマ化させ、それにレーザーを入射させることが必要であるが、気体中に強い衝撃波を入射させてアルゴンをプラズマ化させそれに炭酸ガスレーザーを入射させてLSDを生させることをめざした。具体的な研究実績は以下のとおりである。 1)アルゴンを封入させた管内に強い衝撃波を発生させるためには、フリーピストン衝撃波菅による方法もあるが、ピストンの減速による強い衝撃が抑えることが出来ないという難点があるため、水素・酸素混合気によるデトネーション駆動衝撃波管の利用によって強い衝撃波をアルゴン中に発生させ、その背後にプラズマを生成できる方法を提案し、アルゴン中でマッハ数12.7以上を発生させた。しかしながらアルゴン中の強い衝撃波の減衰が激しく、このままではレーザーを照射してもLSDを充分に起爆するには不十分であることが明らかとなり、その原因を明らかにする必要が明らかとなった。 2)二次元ナビエストークス方程式による数値計算を実施した。その結果、菅径を大きくすることにより強い衝撃波の減衰を抑えられることが明かとなった。 3)上記方法を考慮して実験装置の修正を実施すると共に、発生したデトネーション燃焼ガスによるガラス管の破損を防止するためにデトネーション菅の上流側に大きめのダンプタンクを配置する設計変更を行った。 4)1)〜3)を考慮してLSD実証実験を行うための改良した実験装置を設計、製作した。 以上により、今年度の予定をほぼ達成することができた。
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Research Products
(4 results)