2004 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙再突入飛翔体用セラミックコーティングの損耗量検知センサーの開発研究
Project/Area Number |
16656267
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
八田 博志 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙構造・材料研究系, 教授 (90095638)
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Keywords | 宇宙再突入環境 / C / C複合材料 / 酸化 / 耐酸化コーティング / 酸化損耗速度計測センサー / 多層薄膜 / 電気抵抗 / スパッタリング |
Research Abstract |
宇宙往還機やカプセルなどの宇宙飛翔体の一部は、宇宙からの再突入時には短時間ではあるが一万度以上のプラズマ環境に曝される。特に先端部や翼前縁部では1500℃以上の高温になるため、このような部位にはC/C複合材料が使われ、耐酸化性を向上させるためにC/C複合材料の表面にはSiC等のコーティングが施されている。コーティングは、通常の条件であれば酸化に対して安定な材料であるが、再突入の過酷な環境下では次第に損耗することが知られている。今後宇宙飛翔体にも長期の信頼性が要求されるようになることは明らかであり、そのときにはコーティングの損耗速度が明らかになっている必要がでてくる。本研究では、再突入飛翔体に搭載し、コーティング(SiC)の損耗速度をReal Timeに測定できるセンサーの開発を目的としている。センサーとしては、サブミクロン厚さのSiCと炭素の薄膜を交互に積層したものを考案した。このSiC部はコーティングと同質で、SiC膜が損耗すると炭素膜が直ぐに消失し、並列に並んだ炭素薄膜の電気抵抗変化からSiC部の損耗速度を計測しようとするものである。本年度は以下の事項について検討を行った。 1.再突入の短時間にSiC膜が数層損耗することを狙って多層薄膜の厚さを決定する。 2.高温における電気抵抗測定の可能性を明らかにする。 3.多層薄膜を試作し、その高温安定性、結晶組織などを確認する。 得られた結果は以下のとおりである。 1.アーク風洞による通風実験により、SiCの一層の厚さをサブミクロン程度が最適であることを明らかにした。 2.リード線をPtとし電極を炭素で構成することとし、1500℃までの温度で抵抗測定を実施したが、電極の形成技術に問題があることを確認した。 3.スパッタリングで多層膜を試作したが、高温における多層膜の安定性に工夫が必要なことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)