2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656290
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 義宏 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 康則 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60332706)
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Keywords | 中性子 / 計数率 / 高次モーメント / 空間依存性 / 未臨界度 |
Research Abstract |
本研究は古橋が提案した高次モーメントに基づく中性子相関法(三次中性子相関法)に着目し、未臨界度測定法の開発を目指している。未臨界度(-ρ)とは、核燃料体系が臨界に対してどの程度余裕があるかを示す指標である。三次中性子相関法は、中性子検出数の平均・分散・三次モーメントを測定し未臨界度の絶対値を求める。この方法は測定のために体系に動的な摂動を加える必要が無く、また定常外部中性子源と中性子検出器のみで簡便に測定できる利点がある。しかし、測定結果が測定点に依存する、いわゆる空間依存性の効果が全く考慮されておらず、そのため実際の体系に適用した場合、正しく未臨界度を評価することができなかった。 本年度は、分散及び三次モーメントに関連する測定量Y、Xを用いて、空間依存性を考慮した新たな解析式を以下のように導出した。 ω(X_∞)/(Y^2_∞)=3/(1+δ_<2,0>(-ρ))+F_0({1+δ_<3,0>(-ρ)}(-ρ))/({1+δ_<2,0>(-ρ)}^2) 空間依存性は、未臨界度換算係数δ_2,δ_3,Fに考慮され、パラメータωが空間依存性の影響の大きさ表している。空間依存性が弱い場合は、ω〓1となる。 単純体系について実験を模擬したモンテカルロ・シミュレーションを実施し、空間依存性を考慮に入れると、未臨界度が正しく評価されることを確認した。ただし本手法を用いた場合、測定量のY、X値から空間依存成分をできる限り排除し、空間依存性のない成分(空間基本モード)のみを抽出する必要がある。この抽出が実験的に完全にできない場合は、ωを数値計算により求め補正する必要があることが示された。
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