2004 Fiscal Year Annual Research Report
ライマンα光共鳴イオン化法による超低速ミュオンの発生とナノ結晶研究への応用
Project/Area Number |
16656295
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
三宅 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80209882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 浩一郎 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 助手 (60242103)
松田 恭幸 理化学研究所, 岩崎先端中間子研空室, 研究員 (70321817)
松本 貴裕 スタンレー電気, 研究開発センター, 主任研究員
西山 樟生 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 教授 (50164611)
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Keywords | ミュオン / 偏極 / スピン / 超低速ミュオン / 物性 / 水素原子 / 表面 / レーザー |
Research Abstract |
超低速ミュオンは、スピン偏極しており、水素原子のダイナミクスをシミュレートできるというユニークな特徴を有している。本研究の目的は、日本で誕生したこれまでにない全く新しいプローブとして注目される超低速ミュオンを、表面・薄膜の磁性の研究並びにナノクリスタルに於ける水素のダイナミクス等をシミュレートするなどの研究に展開・発展するための土台を確立することである。 超低速ミュオンは、表面及び表面近傍に止めることができると同時に、元々熱化したミュオンをkeVまで加速する事によって引きだされるので、エミッタンスが良い(ビームの拡がりが小さく、エネルギーの揃った)性質を有している。従って、ビームを任意のエネルギーに加逸・減速する事が容易で、物質の任意の深さに低速ミュオンを止めることができる。高分解能μ^+SR測定を可能とする実験装置を開発することにより、上記の超低速ミュオン自身の持つ飛程の短さを生かし、様々な新しい研究への展開を図ることができる。特に16年度には、高分解能μ^+SR測定を行うためのシンチレーションカウンターを設計製作した。製作したシンチレーションカウンターを横磁場コイルの中に設置する為の架台も設計し、両者を実験を行っている英国ラザフォード研究所に輸送し、設置マウント作業を終了した。バックグラウンド測定から、周りに鉛の遮蔽体を積む必要があることが判明したので、鉛遮蔽体用の架台を急遽製作し、設置する作業を行った。まだ、各種のチューニングが必要だが、ほぼ、μ^+SR測定を行う為の準備が整ったと考えことができる。
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