2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ金属水素化物-熱電変換の複合水素製造サイクルの研究
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16656299
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 耕太郎 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (60278215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中桐 俊男 核燃料サイクル開発機構, 要素技術開発部, 副主任研究員
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Keywords | 金属水素化物 / アルカリ金属熱電変換 / 直接発電 / 水素製造 |
Research Abstract |
本研究の目的とする複合発電システムの要素技術は,主に水素透過電解セル部と水素分離発電部にわけられる。前者の電解セル部に関しては,200℃〜400℃と比較的低い温度範囲で水素透過特性の高い電極を形成する必要がある。16年度は,材料の基本特性を測定するための小型電解セル装置(電極面積は約3cm^2)の設計と製作を主に実施した。現在,絶縁・気密シールテストを実施している。平成17年度より金属水素化物による測定値を得る予定であり,そのため電極を挟んでの水酸化物とナトリウム液となる部分を準備中である。平成16年度は,単純な水素加圧による透過実験を,通常の金属薄膜材料,また傾斜多孔質体であるセラミックフィルター表面にPdならびにPd-Ag合金薄膜を形成した材料に関して実施した。結果として透過特性はPd合金薄膜は高いが,電気抵抗の点で電極部を大きくした際に問題が生じると予想できる結果となった。細い直接接触型リード構造を薄膜上にプリントする手法はこの問題の解決策の一つであると考えている。レーザCVDを用いた方法を試みたが,より簡易なリード構造体の製造方法を検討している。またその構造体の性能シミュレーション手法を検討している。 水素分離発電部に関しては,特に発電部としてAMTEC部の形状・熱供給方法等を検討した。従来の円管型セルに代わり薄膜のβ"アルミナ固体電解質材料の開発に成功した企業があり,その技術を生かした水素分離発電部の可能性がでてきた。電解質厚さの出力特性に対する影響は大きくないが,薄膜化によるセル構造は性能向上に大きく影響する。発電部構造体の素子相当直径を3mmから1mmとすると,セル断面積(Na流れ方向断面積)あたりの発電出力密度は9kW/m^2から12kW/m^2と30%程度向上が見込まれることを明らかにした。
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