2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ金属水素化物-熱電変換の複合水素製造サイクルの研究
Project/Area Number |
16656299
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 耕太郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (60278215)
|
Keywords | 金属水素化物 / アルカリ金属熱電変換 / 直接発電 / 水素製造 |
Research Abstract |
本研究で目的とするアルカリ金属水素化物-複合水素製造サイクルを可能とするための主な要素技術は,水素透過電解セル部と水素分離発電部(AMTEC部)といえる. 水素透過電解セル部に関して17年度は,前年度製作の小型電解セル装置(電極面積1.8cm^2)を用いた実験を実施した.この装置は電気的に絶縁された上下フランジ間に,薄膜材料(Pd, Nb, V, Pd-Ag膜等厚さ8〜100μm)をその支持構造であるSUS焼結材にはさむ構造となっている.電気炉内の加熱条件は180℃以下とし,電極部にNa液の代わりに真空条件とした,17年度の実験結果では,目的とする分解電圧低下の測定は明確には評価できなかった.その理由として,アノード側液循環による電位(電流)変動が大きく,また気密性の問題より高温域が達成できなかったためである.この点で現在装置改良を進めている.17年度の結果より,分極抵抗と水素進入抵抗の大きいことが示され,触媒材料の検討を進めている. 水素分離発電部に関して,通常のAMTEC発電の最大出力の得られる電圧条件(0.4〜0.6V)より高い1V以上の電圧が必要となる.従来方式では1V以上の範囲で出力密度は1/3〜1/5となり大幅な性能低下となる.17年度は電極面積あたりの発電電流を極端に小さくし,Na蒸気流路を小さくする緻密構造型の検討を行った.具体的にハニカム構造に注目し,単位体積あたりの電極面積は従来の10倍程度まで増加させる効果を検討した。電極面積あたりに換算した熱損失係数で,5W/(m^2K)の際に発電効率25%,2.5W/(m^2K)で30%が可能となることを示した.現状方式で5W/(m^2K)程度が可能であり,低減化を検討している.小さな孔構造より電流を効率的にとりだす電流リード構造が本方式では新たに必要となる.CVD法リード構造製作を行い,抵抗値の検討を実施した.
|