2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16657003
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 昇 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助教授 (00202135)
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Keywords | 振動 / BZ波 / チューリング波 / 毛包 / FoxN1 |
Research Abstract |
1952年に英国の数学者A.Turingによって発表された純粋理論が実存する動物である熱帯魚の縞模様の形成に適用しうることがKondoらによって示され(1995年)、さらに申請者らによって哺乳動物の変異体の体表を移動する縞模様もBelousov-Zhabotinski波(BZ波)として形成されることが示された(2003年)。変異体は、転写因子であるヌード遺伝子(Foxn1)の転写物のDNA結合相当領域に小さな欠失を認める。その結果、ヌル変異のヌードマウスと同様に毛根形成に異常が生じ、毛根形成開始後10日ほどで毛根が脱落してしまう。そのため、正常マウスでは毛が完成して毛包が休止期に入るが、このマウスでは新しいサイクルに入る。生まれてからしばらくは全身で同期しているが、徐々にの位相ずれが生じ、移動する縞模様がBZ波として観察されるようになる。本研究は、いかなる物質がBZ波を生成するかを解明することを最終目的とする。16年度は、変異動物のFoxnl転写物のDNA結合相当領域の小さな欠失がいかなるメカニズムで引き起こされるのかを調べるために、変異動物のゲノムDNAを抽出しゲノミックライブラリの作製や変異遺伝子の転写・データベースよりプラーマーをデザインしポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってゲノムの構造を解析中である。本変異動物はヌードマウス同様に免疫不全を呈し、近親交配による維持がきわめて重労働であり研究費のほとんどが動物維持に充てられることを明記したい。
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