2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16657026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 宏治 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (70261550)
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Keywords | 硬骨魚類 / モデル動物 / 異体類 / 発生 / 神経 |
Research Abstract |
わが国で世界に先駆けて養殖技術が進んでいる海産硬骨魚類であるヒラメを用いて、ゼブラフィッシュやメダカのような典型モデル魚類以外の魚類の発生を解析するシステムを構築することを目的とし、特に神経系に着目し、特異な形態と発生様式を持つヒラメの視神経発生を遺伝子機能解析とあわせて実験発生学的な手法を用いて解析する方法を確立し、それを通じてヒラメをその形態の特長を活かした新しいモデル動物として使用する基盤を作る。 本年度は、ヒラメ胚初期胚のステージング(発生段階表作り)とそれぞれのステージに達するまでの時間をできるだけ詳細に記述した。特に神経系の発生に関して、神経軸索特異的交替を用いてその発生過程を詳細に調べた。また、眼球を用いて体外組織培養系の確立を行い、とくに培養のための条件を整えた。また、胚胎に対して操作をする実験系の確立とともに薬剤処理に最適な条件を探索した。これらの実験は、すべて視神経発生とその交差に注目して行い、単なる実験系の確立だけでなく、その系を用いて実際に発生現象の解析を行った。とくに、フォルスコリンというShhシグナリング系に影響を与える薬剤処理によって、培養系においても胚胎に対しても視神経軸索伸長が異常になることを見出した。 またあわせて遺伝子導入系の確立にも努力している。ただしこの点に関してはまだ問題点が多く、来年度の課題と考えている。
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