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2005 Fiscal Year Annual Research Report

アリ類の種多様性はアリグモ類の種多様性の鋳型となっているか?

Research Project

Project/Area Number 16657028
Research InstitutionKobe College

Principal Investigator

遠藤 知二  神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (60289030)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 橋本 佳明  兵庫県立大学, 自然環境科学研, 助教授 (50254454)
Keywordsアリ擬態グモ / アリ / 熱帯林 / 種多様性 / モデル-ミミック関係 / ハエトリグモ科 / ネコグモ科 / マレーシア・サバ州
Research Abstract

アリ擬態グモおよびその潜在的モデルであるアリ類の多様性と両者を含む相互作用を明らかにするため、昨年度に引き続き2005年9月にマレーシア・サバ州ダナムバレー自然保護区の原生熱帯雨林で、2006年2月に同州クロッカー山脈イノボンの熱帯雨林の二次林で調査を行い、以下の結果を得た。
1)ダナムバレー自然保護区におけるアリ擬態グモ群集はおもにネコグモ科(Corinnidae;6属10モルフ)とハエトリグモ科(Salticidae;2属16モルフ)の2つの分類群からなっていることがあきらかとなった。原生熱帯雨林におけるアリ群集の種多様性の高さとともに、それらのミミックであるアリ擬態グモ群集の多様性もきわめて高いことが示された。
2)スィーピング法によってアリ擬態グモの生息場所選好性を調べたところ、地表から高さ1m程度の低いレイヤーによく出現するモルフと3-5mの低木上によく出現するモルフが認められた。また、生息環境についても、熱帯林内に限定されるものから林縁などのオープン環境に出現するものまでモルフによって差があった。
3)アリとアリ擬態グモの空間的な分布には、密接なアソシエーションがあるという証拠は得られなかった。ただし、アリとアリ擬態グモおよび徘徊性の非アリ擬態グモの間には、モデル-ミミック関係、餌資源をめぐる競争関係、捕食者-被食者関係といった複雑な相互作用が成立し、それらが植物体上での空間的アソシエーションに影響を及ぼしている可能性があった。
4)アリ擬態の適応的意義は、葉の裏面という比較的安全だが餌資源の乏しい微生息環境から、葉の表面という餌資源は多いが捕食リスクも大きい微生息環境へ空間利用を広げるさいに重要になるという仮説を立てた。その検証のために、葉表と葉裏の潜在的な餌資源量の評価と実験的な行動解析を行い、仮説を支持する結果を得た。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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