2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16657030
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷 純宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80028232)
|
Keywords | 脳 / 糖鎖 / ゼブラフィッシュ / オリゴ糖 / ピリジルアミノ化 / ルイスX |
Research Abstract |
本年度は、ゼブラフィッシュより受精卵を採取し、一定時間(8、12、18、48時間)28℃でインキュベートした卵(1,000〜10,000個)を用意した。実体顕微鏡下で、それらの卵より卵膜と卵黄を取り除き胚の部分を得た。胚を凍結乾燥し、ヒドラジンと100℃10時間加熱し、さらに無水酢酸でN-アセチル化し、N-配糖体糖鎖とO-配糖体糖鎖を同時に切り出した。得られた糖鎖をピリジルアミノ化し、過剰の試薬を取り除き、ピリジルアミノ化(PA-)糖鎖画分を調製した。受精後一定時間経た胚より得られたPA-糖鎖を、サイズ分画HPLCと逆相HPLCで分離し(現有のHPLC使用)、2次元糖鎖マップを作成した。HPLCの溶出パターンを比較することにより、受精後18時間目にのみ特異的に発現しているピーク(PA-糖鎖)を数種類を見出した。さらにこの中より18時間にのみ特異的に発現しているピークにフコシダーゼを作用させ、酵素消化されてHPLCにおいて移動するピークを2つ見出した。これらの糖鎖の構造を解析するため、種々のエキソ型の糖水解酵素を用いて消化した。各段階の消化物を2次元糖鎖マップ法で解析したところ、非還元末端にLewis X構造を持つ糖鎖であることが分かった。また、還元末端の糖鎖を以下のような方法で解析した。得られたオリゴ糖を塩酸で完全に加水分解し、得られた蛍光性の糖(つまり還元末端の糖)を糖組成分析用のカラムで分析したところ、グルコサミンのみが得られた。これらの事より、これらのオリゴ糖は非還元末端にLewis X構造を持ち、還元末端はグルコサミンであることが明らかとなった。
|
Research Products
(5 results)