2004 Fiscal Year Annual Research Report
バキュロウイルスディスプレイ法を用いた膜蛋白質相互作用の解析と抗体作成への応用
Project/Area Number |
16657034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
先浜 俊子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助教授) (70187061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜窪 隆雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90198797)
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Keywords | バキュロウイルス / 蛋白質発現 / 蛋白質相互作用 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
1)組み換えウイルスの作成と蛋白質発現の確認 Tリンパ球上の副刺激分子であるCD2、その生理的リガンドであるCD58、Bリンパ球上の副刺激分子であるCD40、そのリガンドであるCD40リガンドを各々発現する組み換えバキュロウイルスを作成した。また、CD2、CD58に関してはリガンド結合能を欠く変異体分子を発現する組み換えウイルスも作製した。検出を容易にするため、これらの分子の遺伝子にはあらかじめエピトープタグのDNA配列を付加した。発芽ウイルス上への蛋白質の発現を、エピトープタグに対する特異抗体を用いたWestern Blotで確認した。 2)発芽ウイルスを用いた蛋白質相互作用検出システムの検討 CD2発現COS細胞へのCD58発現発芽ウイルスの特異的な結合を、抗gp64(バキュロウイルスの主要エンベロープ蛋白質)抗体と蛍光標識2次抗体を用いたFACS解析により検討した。現在、実験条件の至適化を行っている。今後さらに、CD58発現発芽ウイルスを抗gp64抗体結合磁気ビーズに固定化し、ここに、CD2発現COS細胞を加えて、CD2発現細胞がCD58発現発芽ウイルスを介してビーズに特異的に結合するか否かを検討する予定である。 3)G蛋白質共役型受容体(GPCR)・CD40リガンド共発現ウイルスの、モノクローナル抗体作成効率向上への応用 抗原蛋白質とCD40リガンドを共発現する発芽ウイルスを免疫原として用いることにより、CD40を介するシグナルで抗原特異的なB細胞の増殖と生存が促進される可能性が期待される。GPCR発現ウイルスをCD40リガンド発現ウイルスとともにSf9細胞に感染させて、受容体・CD40リガンド共発現発芽ウイルスを調製した。現在、この発芽ウイルスをマウス(ウイルス蛋白質に対する抗体産生を防ぐためにgp64トランスジェニックマウスを用いる)に免疫して、受容体に対する特異抗体の産生の検討を行っている。
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