2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜脂質非対称分布の高分解能分析法の確立とアレルギー反応機構解明への応用
Project/Area Number |
16657046
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
平嶋 尚英 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (10192296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古野 忠秀 愛知学院大学, 薬学部, 助教授 (80254308)
中西 守 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (90090472)
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Keywords | リン脂質非対称分布 / 細胞膜 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / アレルギー / マスト細胞 / ラフト |
Research Abstract |
平成16年度は、蛍光タンパク質のYFPを細胞膜へアンカーする方法としてGAP43のN末端配列を付加することによって細胞膜のラフト領域に局在化させることに成功した。また、Gタンパク質KrasのC末端配列を付加することによって非ラフト領域に局在化させることにも成功した。平成17年度は、ラット好塩基球株(RBL-2H3)とチャイニーズハムスターオバリー細胞(CHO)を用いて実験を行った。 (1)エクソサイトーシスに伴う膜脂質の動態の追究 GAP43のN末端配列を付加することによって細胞膜のラフト領域に局在化させたRBL2H3細胞を用いて、NBD標識したホスファチジルセリン(PS)とホスファチジルエタノールアミン(PE)を加えて、エクソサイトーシスに伴う、リン脂質の分布を調べた。その結果、エクソサイトーシスを誘導後、約5分でPS、PEともに細胞外側に移動することが明らかとなった。また、このような変化は、KrasのC末端配列を付加したYFPでも見られたが、GAP43のN末端配列を標識した場合の約50%にとどまっていた。これらのことは、エクソサイトーシスがラフト領域で主に起こっていることを示唆する。 (2)アポトーシスに伴う膜脂質の動態の追究 NBD標識PSしたCHO細胞を用いて、アポトーシスに伴う膜脂質の動態を調べた。アポトーシスを誘導させたが、ラフトおよび非ラフト領域のどちらの場合もPSの動態に大きな変化は認められなかった。アネキシンVを用いて細胞外側へのPSの露出は確認できた。従って、CHO細胞の場合はYFPを用いた測定系が機能していないと推察された。現在、原因を追究している。
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