2005 Fiscal Year Annual Research Report
栄養源飢餓ストレス下におけるDNA複製とリボソーム合成との生物学的リンクの解析
Project/Area Number |
16657049
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
丑丸 敬史 静岡大学, 理工学部, 助教授 (50262788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 弘之 国立遺伝学研究所, 教授 (20151160)
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Keywords | DNA複製 / 栄養源飢餓ストレス / TOR / MCM複合体 / 細胞周期 / S期 / ラパマイシン / リボソーム成熟 |
Research Abstract |
細胞周期は内在的に周期性を司る機構と、細胞外からのシグナルによる制御、の両輪により進行する。細胞外シグナルは、一般的には特定遺伝子の転写や細胞周期進行に関与するキナーゼに影響を与える。栄養源が枯渇した時にも、そのシグナルは細胞周期進行の制御機構を抑制すると考えられてきた。しかし、我々は本研究において、栄養源飢餓が単に細胞周期の制御系を抑制するのみならず、直接染色体DNA複製の開始というS期のメインイベントに結びついていることを示唆するデータを得た。しかも、そのDNA複製開始制御がリボソーム合成と生物学的にリンクする、という意外なデータを得た。我々はすでに、出芽酵母において栄養源飢餓によりプロテインキナーゼTORが不活性化されると、新規核内GTP-binding protein Nog1を介してリボソーム合成が抑制されることを明らかにした(現在投稿論文revise後回答待ち)。非常に驚いたことに、NoglがDNA複製開始因子MCM複合体と結合することを見出した。更に、1)NOG1の過剰発現はmcm3温度感受性株の生育不全を抑圧する、2)nog1変異株でMcm3の量が減少する、3)nog1変異株で、DNA合成制御が異常になりS期で停止する、4)TOR阻害剤ラバマイシン処理でNog1とMcm3のタンパク質の量が減少する、ことを見出した。これらの結果は、Nog1がTORの下流でMCM複合体を介してDNA複製に関与することを強く示唆している。(成果の公表の見合わせの必要性有り。添付調書参照。)
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