2004 Fiscal Year Annual Research Report
エンドソームにおけるユビキチン化蛋白質の選別機構とその制御
Project/Area Number |
16657054
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
喜多村 直実 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80107424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒田 雅之 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (10225568)
|
Keywords | エンドソーム / 受容体 / ユビキチン化 / 選別輸送 / Hrs / STAM複合体 / VHSドメイン / UIM |
Research Abstract |
エンドソームはエンドサイトーシスされた細胞膜上の受容体のうち、リソソームに運ばれ分解される受容体と細胞膜にリサイクルされる受容体を選別するオルガネラである。この選別において受容体のユビキチン化が、その受容体がリソソームへ輸送されるための選別シグナルとして機能している。またエンドソーム膜上に局在するHrs/STAM蛋白質複合体がユビキチンを認識する選別因子として機能している。本研究ではHrs/STAMの存在様式およびユビキチンとの結合について解析し、以下の結果を得た。 1.Hrsの存在様式について、大腸菌で発現したHrsを用いてゲルろ過クロマトグラフィー、動的光散乱法および電子顕微鏡による観察により調べた。その結果、精製したHrsは8量体として存在する事が明らかになった。また3種類のタグをつけたHrsをHeLa細胞に発現させ共免疫沈降法により調べたところ、Hrsは細胞内で3量体以上で存在することが示された。さらにHeLa細胞のlysateをゲルろ過クロマトグラフィーにより分画し調べたところ、HrsとSTAMは複合体として多量体を形成していることが明らかになった。 2.STAMはVHSドメインとUIM (ubiquitin interacting motif)を介してユビキチンと結合する。このSTAMのVHSドメインとUIMを含む領域(STAM(V/U))を大腸菌で発現し、溶液中でのユビキチンとの結合についてトリプトファンの蛍光を利用する方法により調べた。その結果、STAM(V/U)とユビキチンとの結合の解離定数は1.12μMであった。次にSTAM(V/U)とユビキチンとの複合体の結晶化を試みたが、結晶は得られなかった。これらの結果は、STAMは弱い結合によりユビキチン化受容体を認識し、選別輸送において機能していることを示唆している。
|
Research Products
(6 results)