2004 Fiscal Year Annual Research Report
セミインタクト細胞核を用いた第三世代試験管内転写系の開発
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16657057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 宏 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (30241392)
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Keywords | 転写 / クロマチン / 細胞 / セミインタクト細胞 / 細胞核 / 細胞生物学 / 分子生物学 / RNA |
Research Abstract |
生細胞の細胞核における転写制御機構を解明するために,細胞核構造・クロマチン構造を保持しつつ可溶性因子の除去と供給が可能なセミインタクト細胞を用いた転写系の構築を試みた.これまでの予備的実験により,非イオン性界面活性剤で膜を透過性にしたセミインタクト細胞にHeLa細胞抽出液を添加することでブロモウリジン三リン酸(BrUTP)の取り込みを指標にした転写活性が上昇することを見出している.そこで,この転写活性の上昇が転写伸張反応の促進のみによるものか転写開始反応も起こっているのかを区別することを試みた.第一のアプローチとして転写開始に必要な基本転写因子(TFIIB,TFIIH)を細胞抽出液より除去し,転写活性に与える影響を解析した.その結果,TFIIHを90%以上除去してもBrUTPの取り込みにはほとんど影響を与えなかった.しかしながら,開始から伸張に至る反応が転写律速段階であることを考えると,BrUTP全体の取り込みに新たな開始反応が与える影響はわずかであり,この結果はいかようにも解釈できる.そこで,転写開始一般を検出するためには,BrUTPの取り込みよりもβ位に放射能標識されたGTPを用いることが賢明であると考え,現在その実験を計画中である.また,テトラサイクリン(tet)とGa14-VP16融合タンパク質により転写が誘導されるレポーター遺伝子を持つ細胞を用いて,セミインタクト細胞において転写因子依存的に特定の遺伝子の転写が誘導できるかどうかを検討している.現在,tet誘導性レポーター遺伝子を持つ細胞からセミインタクト細胞を調整し,細胞抽出液,Ga14-VP16,tet,NTPの存在化でインキュベート後,RNA蛍光in situハイブリダイゼーション(RNA-FISH)およびRT-PCRによる転写産物の検出を試みている.
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Research Products
(4 results)