2004 Fiscal Year Annual Research Report
線虫vps遺伝子群の網羅的遺伝子破壊によるリソソームの構築と輸送システムの解明
Project/Area Number |
16657060
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
安藤 恵子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40221741)
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Keywords | 線虫 / Caenorhabditis elegans / リソソーム / ノックアウト / vps遺伝子 |
Research Abstract |
リソソームは動物細胞の分解コンパートメントであり、細胞内の不要な物質の分解やエンドサイトーシスを介して細胞内へ取り込まれた物質の分解を行うことで、発生・分化、形態形成、恒常性維持および外界からのシグナル伝達などの多彩な細胞機能を支える重要なオルガネラであるが、リソソーム系の構築と機能については不明な点が多い。本研究課題では酵母vps遺伝子群の線虫オーソログのノックアウト変異体を作成し、トランスジェニック解析を駆使した各々の蛋白質の機能解析を行うことにより多細胞系におけるリソソーム/液胞の構築と輸送システムの分子メカニズムの解明をめざす。本年度の研究計画に基づき線虫vps遺伝子群のノックアウト変異体の分離とトランスジェニック解析を行った。TMP/UV法で線虫ゲノムにランダムに欠失変異を導入したバンクを作成し、PCRスクリーニングでsyntaxinおよびSMファミリーに属するvps遺伝子群を中心にノックァウト変異体を分離した。致死性になる変異体については遺伝子座の近接したgenetic balancerと交配することで遺伝的に安定な株を作成した。また、蛍光蛋白質をタグにすることでリソソーム酵素およびリソソーム膜蛋白の生体内での局在を可視化したトランスジェニック株を作出した。リソソーム酵素マーカーはエンドソーム膜マーカーと局在が一致しないが、リソソーム膜マーカーとは一致することからリソソームに正しくターゲットしていると考えられた。したがってこれらのトランスジェニック株を用いることによりリソソームの構造や数、リソソーム酵素のリソソームヘの輸送について解析することが可能であると考えられる。現在得られたノックアウト変異体とトランスジェニック株を交配し、表現型を解析中である。
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