2005 Fiscal Year Annual Research Report
カワカイメンにおけるプロトニューロンの解析-ニューロンの分子進化-
Project/Area Number |
16657067
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
船山 典子 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 研究員 (30276175)
|
Keywords | fresh-water sponge / Porifera / peptidyl alpha-hydroxylating monooxygenase / cytochrome b561 / 幹細胞 / アミド化ペプチド / silicatein / annexin |
Research Abstract |
ニューロペプチド(アミド化ペプチド)関連遺伝子のカワカイメンESTクローンのうち、脊椎動物にまで保存されている、ニユーロペプチドのアミド化を担う酵素(peptidyl alpha-hydroxylating monooxygenase : PAM, peptidyl-alpha-hydroxyglycine alpha-amidating lyase : PAL)、ニューロペプチド分泌顆粒膜に存在するcytochrome b561と各々相同性を示すクローン(Ef PAMPAL, Ef cyto-b561)を共発現する細胞種の同定を目的とし、細胞種特異的遺伝子マーカーの単離を試みた。カイメンの体に散在する6細胞種のうち、幹細胞、骨片形成細胞、コラーゲン産生細胞、襟細胞に特に着目し、細胞種特異的遺伝子マーカーの単離を試みた。選択した約70遺伝子、Blastサーチによる候補遺伝子の発現をin situ hybridization(ISH)で検出するスクリーニングにより、幹細胞と襟細胞、即ちカイメンの体を構成する細胞の中で多能性を維持している唯二つの細胞種で発現するEf piwiを、骨片形成細胞特異的に発現する骨片構成タンパクEf silicatein、骨片を支えている特殊な細胞で発現するEf collagen13、Tachylectin1と相同性が高く進入バクテリアに対する防御を担う細胞で発現すると考えられるEf lectinを、FACSによる襟細胞の単離とプロテオミック解析により襟細胞特異的に発現するEf annexinを同定した。Ef lectin,Ef collagen13の発現から、形態的に同定されていたよりも多数の細胞種がカイメンの体を構成していると示唆された。Ef PAMPALとEf cyto-b561はEf piwiと幹細胞で共発現しており、意外なことに、幹細胞がアミド化ペプチドを分泌していることうを示唆した。
|
Research Products
(2 results)