2005 Fiscal Year Annual Research Report
捕食者適応による表現系の可塑性を支配する遺伝子群とそのシグナル伝達のカスケード
Project/Area Number |
16657071
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森 司 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (60241379)
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Keywords | 表現型の可塑性 / エゾアカガエル / マイクロアレー / エゾサンショウウオ / サブトラクション |
Research Abstract |
目的:我々は上述のエゾサンショウオの捕食圧により、著しく膨満型に誘導されたオタマジャクシの体表、脳を含む顔部、内臓を含んだ腹部、そして尾部でいったいどのような遺伝子群が発現、又はどのような遺伝子が抑制されているのかを見出すことを行っている。このことにより、捕食者-被捕食者相互作用における表現型の可塑性を支配している進化生物学上極めて重要であると考えられる遺伝子のスクリーニングを行なう。 方法:4.5-Lの水槽に生後10日のオタマジャクシ(同体長固体)を50匹入れ、これにエゾサンショウウオの幼生を2匹入れた実験群と捕食者を入れないコントロール群を各7つ用意した。16℃の自然明暗条件下で10日間飼育し、充分に膨満化した実験群の表皮(各7群より合計約140匹)とコントロール群(約300匹)のオタマジャクシの顔部(脳を含む)、腹部、尾部、それと頭部と内臓を含んだ頭胴部を剃刀で切り取り、RNAの抽出を行なった。このRNAを用いてサブトラクションを行い、さらに、この遺伝子を用いてマイクロアレー解析をおこなう(現段階では途中)。 結果:現在は上述の様々な部位でのサブトラクションが終了し、約5000個のクローン解析を行った。その結果、サンショウウオにより完全に膨満化したオタマジャクシの脳を含んだ顔部ではコントロールと比べると神経細胞の伸張や移動に関連する遺伝子が抑えられていた。
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