2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16658003
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高畑 義人 岩手大学, 農学部, 教授 (10133894)
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Keywords | 種間雑種 / 雑種胚 / 胚乳 / 遺伝子単離 / 生殖的隔離 / Brassica |
Research Abstract |
遠縁交雑は、異なる種間や属間の交雑によって、新たな遺伝子型を作出しようとするもので、種内交雑では得られない変異拡大の方法である。しかし、異なる種間の交雑のため、いわゆる生殖隔離機構が働き雑種の育成が困難である。その主要な原因の1つとして雑種胚や雑種胚乳の崩壊がある。これに対し、雑種獲得のために胚培養等の様々な技術が開発され育種に貢献している。しかし、雑種胚等の崩壊の機構は不明のまま現在に至っている。本研究は、アブラナ科作物を材料に雑種胚等崩壊の機構を形態学及び分子生物学的手法を用い解析する。 Brassica napus(西洋ナタネ類)はB.campestris(菜類)とB.oleracea(キャベツ類)を両親とする複二倍体種である。このB.napusとその両親種の間の種間交雑はB.napusとB.campestrisの間は容易であるが、B.napusとB.oleracea間はほとんど雑種が得られないことが経験的に言われている。B.napus5品種を母本とし、B.campestris5品種及びB.oleracea3品種を父本とし、種間交雑を行ったところ、B.campestrisを父本としたときは1交配花当たり5-13個の種子稔性が見られたのに対し、B.oleraceaを父本としたときは0-0.5個の種子稔性で、ほとんどの組合せでは種子が得られなかった。母本についてはワックスレスの‘はるの輝'を用いたとき、他の品種に比較し稔性は著しく低下した。形態観察を行ったところ、花粉管伸長は全ての組合せで正常であり、胚発達については、B.campestrisを父本に用いたときは、正常な胚発達とそれに伴う胚乳の崩壊が見られたが、B.oleraceaを父本としたときは、受粉後8日以後の胚は観察されず、また胚乳の崩壊も見られなかった。今後このステージをターゲットして、発現遺伝子の単離を行う予定である。
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