2004 Fiscal Year Annual Research Report
作物組織における遺伝子発現過程の可視化に関する研究
Project/Area Number |
16658008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 博 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60134798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 光隆 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40231419)
川崎 通夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30343213)
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Keywords | in situハイブリダイゼーション / 金コロイド / 成熟葉 / 走査型電子顕微鏡 / 単子葉植物 / mRNA / 免疫電子顕微鏡 |
Research Abstract |
単子葉植物の成熟葉について、パラフィン切片法とDIG標識プローブを用いたin situハイブリダイゼーション法を完成させることができた。まず、トウモロコシのRubisco大サブユニットのmRNAに対するプローブを作製してトウモロコシの葉切片に処理し、維管束鞘葉緑体にのみ発色が現れることから、in situハイブリダイゼーション法の信頼性を確認した。次に、イネのRubisco小サブユニット遺伝子のcDNAと、集光性クロロフィルタンパク質複合体遺伝子の一つであるcabのcDNAより、それぞれのmRNAに対するプローブを作製し、イネ葉の諸組織におけるこれらの遺伝子の発現を調べた。その結果、未熟葉ではこれらの遺伝子は葉肉細胞とともに維管束鞘細胞にも発現していることが明らかになった。しかし、葉の成長にともない維管束鞘細胞での発現は低下し、成熟葉では葉肉細胞でのみ発現していた。しかし成熟葉において、葉身基部であるラミナジョイントでは、葉肉細胞においてもこれらの遺伝子の発現は認められなかった。金コロイド免疫走査電子顕微鏡法を確立する目的で、イネ胚乳においてプロティンボディI(PB-I)に蓄積するプロラミンとPB-IIに蓄積するグルテリンの抗体を入手し、イネ完熟種子に抗体を処理して金コロイド標識抗体の分布を調べた。しかし抗体は両プロティンボディにほぼ同程度に結合し、特異性が認められなかった。そこでイネ未熟胚乳を用いて、超薄切片法による金コロイド免疫透過電子顕微鏡法で観察したところ、プロラミンは粗面小胞体とPB-Iに結合し、またグルテリンはゴルジ体とPB-IIに結合しており、抗体の特異性は高く、また固定の影響も認められなかった。したがって、走査電子顕微鏡用の試料作成過程に問題があることが予想され、次年度さらに検討する。
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Research Products
(2 results)