2004 Fiscal Year Annual Research Report
園芸作物残渣の強アルカリ分解処理技術の開発とその利用に関する研究
Project/Area Number |
16658012
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西澤 隆 山形大学, 農学部, 教授 (10208176)
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Keywords | 酸化カルシウム / メロン / 有機性廃棄物 / 果実肥大 / 生育阻害 |
Research Abstract |
1.有機性廃棄物に酸化Ca剤を加えて加水分解した強アルカリ処理有機性廃棄物を,メロン‘プリンス'栽培の床土として用い,以下の諸点を明らかにした. 1)強アルカリ処理有機性廃棄物と山砂を1:1に調整し定植期の床土に用いた場合,山砂のみを床土に用いた場合に比べ収穫期における果肉硬度が上昇した. 2)強アルカリ処理有機性廃棄物を床土に用いた場合,山砂のみあるいは山砂に消石灰を加えた場合に比べて果実および成葉のCa濃度が有意に上昇した.しかし,果実および成葉におけるKの蓄積が阻害されることはなかった. 3)強アルカリ処理有機性廃棄物中には,果実の収穫時期でさえも山砂に比べてはるかに高濃度のCaが含まれていた.しかし,全Caに対する可溶性Caの割合は,山砂と同程度かむしろ低い値を示した. 4)強アルカリ処理有機性廃棄物は床土のpHを8.0以上に高めたが,果実の生長は阻害しなかった. 2.強アルカリ処理有機性廃棄物がメロン‘プリンス'の生長に及ぼす影響を調べ,以下の諸点を明らかにした. 1)強アルカリ処理有機性廃棄物は,発芽したメロン苗の初期生長を阻害した. 2)子葉が展開した苗を強アルカリ処理有機性廃棄物の培地に移植した場合,育苗期における苗の生長が阻害され,同廃棄物を含まない山砂に定植後2週間経過しても生長は回復せず,果実収穫期が遅れた. 3)強アルカリ処理有機性廃棄物を床土に用いて2年連続して栽培した場合,本葉が3枚展開した苗を定植すれば果実肥大や成熟が遅延することはなく,「水浸状果」の発生および土壌の酸性化も抑制された.
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