2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16658023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20202111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 重雄 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫生産工学研究グループ, 昆虫細胞工学研究チーム長
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Keywords | Maculavirus / チモウイルス科 / サブゲノミックDNA / 昆虫培養細胞 / 鱗翅目昆虫 / 反復配列 / 複製機構 / クワ |
Research Abstract |
1.新しいウイルスBmMLVの複製機構の解析 昨年度ゲノムRNAの構造を決定した結果,新しいウイルスBmMLVのゲノムおよびサブゲノミックRNAの構造は明らかになったが,ウイルスの複製機構はそれらの構造のみでは分からない。BmN細胞には,BmMLVの5'末端配列が繰り返すような構造の奇妙なRNAが大量に存在する。今年度は,BmMLVの複製機構のヒントを得るために,その反復配列RNAの構造を解析した。その結果,CAAAGTCAGC・・・・・・CAAGCTCATGという175塩基からなるユニットが少なくとも3回反復する点で共通していた。しかし,このRNAがウイルスの複製にどのように関与するのか,まだ不明である。 2.ウイルスの由来に関する問題 クワが,ウイルスの起源として推定されるので,東大の圃場のクワの葉からウイルスRNAの検出を試みた。しかし,RT-PCRではBmMLVのゲノムRNAは検出されなかった。 3.コートタンパク質に対する抗体の作製と抗原タンパク質の存否解析 本ウイルスは,ゲノムRNAに3つのORFを持つと予想される。コートタンパク質をコードすると推定されるORF2をバキュロウイルスで大量発現させ,タンパク質を合成した。それらをウサギに免疫してポリクローナル抗体を作製した。ウエスタンブロットの結果,抗体は得られていることが明らかになった。 3.培養細胞株に潜在感染しているBmMLVの比較 NIAS-Bm-aff3に感染しているウイルスの断片配列を,BmN細胞のBmMLVの配列と比較したところ,ほとんど差がなかった。NIAS-Bm-oyanagi1, SES-BoMo-J125K5, NIAS-BoMo-Cam1の3株の配列もほとんど同一であるので,BmMLVには明確な系統分化は起きていないと推定された。
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[Journal Article] Novel macula-like virus identified in Bombyx mori cultured cells.2005
Author(s)
Susumu Katauma, Shinichiro Tanaka, Naoko Omuro, Lisa Takabuchi, Takaaki Daimon, Shigeo Imanishi, Shuichi Yamashita, Masashi Iwanaga, Kazuei Mita, Susumu Maeda, Masahiko Kobayashi, Toru Shimada
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Journal Title
Journal of Virology 79(9)
Pages: 5577-5584