2005 Fiscal Year Annual Research Report
ファージを用いたトマト青枯病菌Ralstonia solanacearumの制御
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16658029
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 眞人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20092190)
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Keywords | トマト青枯病 / Ralstonia solanacearum / バクテリオファージ / 宿主範囲 / 病害防除 / ファージ接種 / 系統分類 |
Research Abstract |
トマト青枯病は、全国各地で多発しているRalstonia solanacearumを病原菌とする難防除土壌伝染性病害である。本研究では、これまで全く考慮されてこなかったR.solanacearumに対するファージを土壌から分離し、ファージの土壌接種によるトマト青枯病の抑制効果、ファージの遺伝学的性質を解明するとともに病原菌と近縁の各種細菌に対する範囲(溶菌スペクトル)を明らかにすることを目的とした。 今年度、土壌への青枯病菌とファージの接種時期、トマト種子の播種時期を様々に変化させてファージの青枯病防除に対する効果的なファージ接種時期を検討した結果、ファージの土壌接種によっては、完全に青枯病を防除できる方策を見出すことはできなかったが、トマトの播種数日前にファージを土壌接種することにより、トマトの生存個体数を増加させることが可能であることが明らかとなった。 加えて、愛知県農業総合試験場長久手本場から過去にトマト青枯病が発生した圃場を含む各種圃場から土壌を採取し、全国から収集された青枯病菌21株に対するファージ計17株を分離するとともに、その宿主範囲を検定した。その結果、最大14株の青枯病菌に感染する宿主特異性の低いファージから、21株中2株にのみ感染する宿主特異性の高いファージを取得した。各ファージの宿主範囲を青枯病菌のBiovarとrep-PCR解析による類別結果を対比させて考察した結果、宿主範囲は必ずしも系統関係の近縁性と一致しないことが判明した。
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