2004 Fiscal Year Annual Research Report
シンク能の向上を目指したアブラナ篩管でのRNAを介した情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
16658030
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 進一 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助手 (00322339)
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Keywords | 篩管 / RNA / アブラナ / シンク / ソース |
Research Abstract |
アブラナ節管におけるRNAを介した情報伝達系の存在を検証するための端緒として、本年度はアブラナ筋管内に存在するRNAの検出を篩管内を転流する液(筋管液)を用いることにより行った。アブラナからの篩管液の採取は春化処理(連続光、4℃、4週間)を行い、花芽を誘導した植物体の蕾の下部を切断するインサイジョン法(切断法)により行った。また採取した筋管液は分析を行うまで-20℃で凍結保存した。 アブラナ節管液中には糖、アミノ酸、タンパク質など様々な物質が存在している。そこでクロロホルム-フェノール法がベースとなるRNA精製キットEASYPrep RNA(Takara, Shiga, Japan)を用い、アブラナ篩管液よりRNAの抽出を行った。20μLの篩管液を用いて抽出したRNAの260nmの吸光度の測定から篩管液中のRNA濃度を計算すると、その濃度は約16.8μg/mLであった。この値はこれまでに検出されているカボチャやイネの篩管液中に存在するRNA濃度とほぼ同じレベルであった。分析に必要な篩管液量(20μL)を採取するには30分程度の時間を要する。RNAは非常に不安定な物質であることからサンプリング中に分解し、損失している可能性が考えられた。そこでサンプリング時にRNAの安定化剤であるRNAlater^<TM>を使用したところRNAの分解が40%以上抑制されることが確認できた。この確認後はRNA実験用の篩管液のサンプリングにはこのRNAlater^<TM>を必ず用いることとした。 ポリアクリルアミドゲル(濃度10%)を用いて、前記の方法で抽出した篩管液RNAをグリオキサールによる変成後、150V定電圧で電気泳動し、銀染色法により、ゲル上のRNAの検出を行った。その結果、100ベース付近及び400ベース付近にスメアなシグナルを検出することができた。
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