2005 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉現象における内在、外来遺伝子の識別機構の解明
Project/Area Number |
16658046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 文彦 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10127087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊福 健太郎 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50359783)
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Keywords | RNA干渉法 / transitive RNAi / 外来遺伝子 / 内在遺伝子 |
Research Abstract |
3'UTR配列に対するRNAiによって、psbP遺伝子ファミリーの1A,5B遺伝子(グループ I)を発現抑制したタバコの植物体では、配列相同性の高い上流領域を介したtransitive RNAiによる他のPsbPグループに対する発現抑制効果は認められない。そこで、この形質転換タバコに、新たにこのdsRNAの標的となる3'UTR配列を持つpsbP_1A遺伝子を形質転換によって外来遺伝子として再導入(supertransformation)した。クロロフィル蛍光分析、及び、ウエスタン解析を行った結果、それらの形質転換体の一部の系統では、RNAiの標的配列をもたないグループIIのpsbP遺伝子にも発現抑制効果が及んでいることが明らかとなった。一方で、3'UTR配列を持たないpsbP_1A遺伝子を形質転換によって外来遺伝子として再導入した系統では、そうした抑制効果を示す個体は認められなかった。従って、3'UTR配列を持つpsbP_1A遺伝子を導入した系統では、3'UTR配列の上流領域に対するtransitive RNAiが生じている可能性が示唆された。しかしながら、低分子RNAの解析を行った結果、上流領域に対するsiRNAの検出できず、transitive RNAiが原因であると断定することはできなかった。この原因としては、二次的なsiRNAの蓄積レベルが低い可能性と、転写レベルでの発現抑制が生じている可能性が考えられた。今後、より感度の高いsiRNAの検出方法を工夫するとともに、DNAメチル化状態の詳細な解析を行う事で新たな研究展開が期待できると考えられた。
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Research Products
(4 results)