2005 Fiscal Year Annual Research Report
多様な酸アミド結合を有するポリフェノールの検索と体内抗酸化機能・設計
Project/Area Number |
16658054
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
五十嵐 喜治 山形大学, 農学部, 教授 (00111336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英世 山形大学, 農学部, 助教授 (60235380)
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Keywords | ポリフェノール / 酸・アミド / 肝障害 / 初代培養肝細胞 / 体内利用 / 抗酸化機能 / カフェイオルドーパ / カフェオイルチロシン |
Research Abstract |
コーヒー豆などに見いだされる酸アミド結合物質、クロバミド(Caffeoyldopa)を合成し、その生理機能を、肝障害防御の面から、動物個体・細胞レベルにおいて検討を行った。クロバミドは四塩化炭素誘発肝障害マウスにおけるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性の上昇を抑制する傾向を示したが,その構成分としてのコーヒー酸に比べ、抑制効果は弱い傾向にあった。一方、ラット初代培養肝細胞の四塩化炭素誘発障害によるAST活性の上昇はクロバミドおよびその構成分としてのコーヒー酸により抑制されたが、もう一方の構成分としての3,4-ジフェニルアラニン(DOPA)による抑制効果はみられなく、効果はコーヒー酸部分に由来することが明らかになった。また、ガラクトサミンによるラット初代培養肝細胞の障害はクロバミドにより緩和されるが、その効果はコーヒー酸部分よりもDOPA部分による方が大きく、細胞の障害発症機構の違いにより、効果の発現に関わるクロバミドの構成分子は異なることが明らかになった。ラットに経口投与したクロバミドの大部分は、未修飾のまま門脈、血液に移行し、さらには尿中に排泄され、一部は体内で分解を受け、コーヒー酸を生成することが明らかとなった。コーヒー豆、その他の食品素材にみられる酸アミド結合物質Caffeoyltyrosineの合成も可能となり、in vivo、細胞レベルでの機能と構造との関連についても現在、鋭意検討中である。
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