2004 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の街路樹の風に対する抵抗性の数値表現に関する研究
Project/Area Number |
16658067
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
佐藤 一紘 琉球大学, 農学部, 助教授 (50045126)
|
Keywords | 街路樹 / 風 / 抵抗の数値表現 / 抵抗係数 / 走行風洞 / 沖縄 |
Research Abstract |
一般的形状の物体と風の力学的関係は明らかにされていて、例えば形状毎に抵抗係数が明示されている。しかし樹木の場合、抵抗係数は風速で変化し、風速の増加に伴い減少する事が示されている。代表者の佐藤は、その抵抗係数が微風域では増加し、弱風域から強風域にかけて減少する事を示した。いずれにしろ、街路樹や防風林の設計の現状では経験的な部分が大きく、樹木と風の関係を示す数値はほとんど用いられていない。その最大の理由は、風速の増加に伴い樹木の形状が変化する事と枝葉の間を風が通過する事に起因して、数値で表現する事が難しいためである。即ち、一般的形状の物体のように模型化し小型風洞の実験により決定できないからである。本研究は、各樹種の葉や枝の特性に起因する風に対する抵抗性を数値で表現する事、それを個々の樹木が受ける風圧の計算に導入する事を目的としている。 まず一般的形状の卵形、倒卵形、楕円形等の葉をもつ樹種について、葉身と葉柄の変形し易さ・し難さに着目して検討した。その結果、葉身と葉柄の変形程度を示す指標の積は樹種毎に大きく異なり、それで抵抗性が説明できる見通しが得られた。しかし葉の形状は羽状葉、掌状葉、針状葉等と大きく異なり、変形の程度の統一的扱いは困難である。そこで、長さが1.5m程度で数百の葉を付けた実物の枝を用いて風速と風圧を測定し、その風圧を生じさせる事に関与した葉や枝の乾燥重量に着目する試験法を検討し、乾燥重1gが関与した風圧の大小で表現する方法を開発した。これによれば枝葉の形状に関係なく表現でき、統一的に比較できる。そのための装置として、トラックに簡易な風洞を積んで走る走行風洞を試作した。次年度は、沖縄の防風林、街路樹の主要な樹種について走行試験を実施し、統一的数値により抵抗性の一覧表として明示する。
|
Research Products
(1 results)