2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラオスの森林管理における社会関係資本の相互作用の解明
Project/Area Number |
16658068
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Research Institution | Institute for Global Environmental Strategies |
Principal Investigator |
百村 帝彦 財団法人地球環境戦略研究機関, 研究員 (80360783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10232555)
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Keywords | ラオス / 社会関係資本 / 地域住民 / 地方行政 / 土地森林分配事業 |
Research Abstract |
平成16年度は、まず社会関係資本やその関連分野に関する文献の収集とそのとりまとめをおこなった。特に「社会関係資本をめぐるこれまでの動き」、「社会関係資本概念の再構築」、「社会関係資本の持つ負の側面」、そして「天然資源管理分野における社会関係資本の議論」について論点を整理した。前記3点については、現在取りまとめ中である。「天然資源管理分野における社会関係資本」については、事例研究を収集・整理している。なかでもアジア(特に南アジアや東南アジア)のものが多く見られ、中南米・アフリカ諸国が少ない。これら事例研究については、随時追加的な文献収集をおこなう予定である。 関連分野の文献調査では、「政治生態学」、「ガバナンス論」、行政学における「行政裁量論」や「Slippage論」についておこなった。これらについて、それぞれの議論をもとにその情報の整理を行っている。 フィールド調査は、主に中央政府機関である農林省と研究機関であるラオス国立大学林学部にて、政策動向の把握を中心におこなった。これらの結果と既存の研究成果を取りまとめ、ラオス南部の保護地域と北部の焼畑地域での事例をもとに、それぞれの地域で起こっている森林管理の問題点を抽出し、その中での社会関係資本の重要性をあきらかにした。この研究結果は、海外学術論文誌に投稿し、受理された。 また、地方行政の行政実施機関、地域住民の事業受益という観点に着目し、投稿論文を執筆中である。この論文は平成17年度中に海外学術誌に投稿の予定である。 平成17年度は、上記の成果を踏まえて文献調査をさらに進めるとともに、複数回のフィールド調査を実施する予定である。
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