2004 Fiscal Year Annual Research Report
魚類骨格筋タイプミオシン重鎖遺伝子発現のスイッチング機構に関する研究
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16658085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
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Keywords | ミオシン重鎖遺伝子 / クラスター / トラフグ / ミドリフグ / ゼブラフィッシュ / 筋分化 / スイッチング |
Research Abstract |
1.既存のトラフグゲノムデータベース、BACおよびコスミド末端・内部配列データベースを使用し、トラフグミオシン重鎖遺伝子クラスターの物理マップを作成した。この際、公開されているミドリフグおよびゼブラフィッシュのゲノム配列を利用し、トラフグで不足しているゲノム配列データを補助した。その結果、トラフグ速筋型ミオシン重鎖遺伝子は5つの領域に存在し、そのうち3領域でクラスターを形成することが明らかとなった。 2.In silicoで得られたミオシン重鎮遺伝子クラスターについてのデータを、分子生物学的手法を用いて確認した。3領域に分散して存在するそれぞれのミオシン重鎖遺伝子クラスターのすべて、もしくは一部を含むBACおよびコスミドクローンを鋳型としたPCR、および当該BACおよびコスミドクローンの塩基配列の一部を決定することにより、クラスター内のミオシン重鎖遺伝子数を計測するとともに、クラスター周辺の遺伝子構成を調べた。 3.各クラスターを構成する1種類以上のミオシン重鎖遺伝子の時空的な発現変動をRT-PCRにより解析した。また、発生初期で発現するミオシン重鎖遺伝子の詳細な発現部位は、ホールマウントin situハイブリダイゼーションにより解析した。その結果、発生初期および成体で発現するミオシン重鎖遺伝子は異なることが示唆された。しかしながら、これまで報告されている哺乳類の結果とは異なり、発生初期型から成体型へのミオシン重鎖遺伝子のスイッチングはクラスター内ではなくクラスター間で起こることが示唆され、魚類と高等脊椎動物のスイッチング機構は異なることがわかった。
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