2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16658087
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
羽倉 義雄 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (50237913)
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Keywords | サメ / 未利用資源 / 加工残渣 / 軟 / コンドロイチン硫酸 |
Research Abstract |
本研究課題では,サメの加工残渣(頭部,中落ち)から未利用資源(軟骨組織および脂肪組織)を凍結粉砕法により分離回収する技術を確立目指している. 実験試料には,ヨシキリ鮫の加工残渣(頭部,中落ち)を用いた。加工残渣から,主要部位(軟骨組織,筋肉組織,皮膚組織,頭骨等)を手作業で分離し,材料試験用の試験片(30mm×5mm×5mm程度)を作成した.次に,低温恒温槽(-100℃〜-10℃)を用いて試験片の凍結を行った.自作の材料試験機を用いて,圧縮破壊応力,引っ張り破壊応力,破断歪み,ヤング率の測定を行った.また,シャルピー衝撃試験機を用いて,破壊吸収エネルギーの測定を行った.試験温度範囲は,-150〜0℃とした. 粉砕時の優先粉砕挙動を材料力学物性(圧縮破壊応力,引っ張り破壊応力,破断歪み,ヤング率)の温度依存性を用いて,粗砕時の優先粉砕メカニズムを記述する数学モデルの構築を試みた.この数学モデルを用いて,サメ加工残渣から未利用食糧資源を回収するための操作条件(粉砕温度,粉砕機の運転条件,粉砕時間,分級条件)を再評価した. 分離した未利用資源(軟骨組織および脂肪組織)の資源的価値の検討ならびに用途の開発に関する予備調査を行った.軟骨組織にはコンドロイチン硫酸が,また,脂肪組織にはスクワレンが多量に含まれていたことから,これらの成分の定量と粉砕分離条件の違いによる回収率の影響を検討した.その結果,-40℃〜-20℃付近に最適凍結粉砕温度があることが明らかとなった.
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