2005 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークを用いた農業水利用構造物の劣化進行予測に関する調査・研究
Project/Area Number |
16658090
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
万木 正弘 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (70322930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 完 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (60132007)
斉藤 進 八戸工業高等専門学校, 教授 (20042145)
角野 三好 弘前大学, 農学生命科学部, 講師 (80003523)
|
Keywords | 水利構造物 / 健全度調査 / コンクリート / 劣化度 / ひび割れ |
Research Abstract |
コンクリート構造物の維持管理計画を策定するための基礎資料を得る目的で、昨年度に引き続き北東北の農業水利構造物を対象に健全度調査を行った。 本年度の調査では津軽地方を流れる河川に設置された頭首工7箇所、揚排水機場2箇所を対象とした。建設後の経過年数は頭首工で10〜33年であり、揚排水機場で17および24年であった。調査項目は、(1)目視調査、(2)反発硬度試験、(3)中性化試験、(4)摩耗量測定である。また、当地における約30年の気象データを調べ、それぞれの構造物の凍結融解回数を算定した。凍結融解回数は年平均で約80回であり、30年以上経過した構造物では2500〜3000回の凍結融解の繰り返し作用を受けていた。 調査結果の結果、多くの構造物にひび割れ、剥離、石灰成分の流出等が確認された。ひび割れは幅0.1mm以下、長さ500mm以下のものが多かったが、中には幅数mm、長さ5mにも達するものもいくつかの構造物で認められた。幅の広いひび割れは、アルカリ骨材反応が主原因と考えられ、劣化度としては加速期から劣化期に進んでいると判断された。頭首工堰柱や取水口ベルマウス部には凍結融解によると思われるスケーリング、ひび割れなども認められた。反発硬度から推定したコンクリートの強度は15〜36N/mm2と大きくばらついており、一部には設計基準強度を下回る箇所も散見された。中性化はそれほど進んでおらず、一般的な予測式で予測した中性化深さより小さな値であった。頭首工床版の摩耗量は、30年以上経過したものでも平均的には40mm程度であり、それほど劣化は進んでいなかったが、80mmを超える所も部分的には見られた。 これらの調査は来年度も引き続き行い、水利構造物の劣化度予測手法を取りまとめる予定である。
|
Research Products
(1 results)