2004 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体を用いた水田水域における食物連鎖構造の解明
Project/Area Number |
16658092
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
水谷 正一 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70093143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久 茨城大学, 農学部, 助教授 (80292481)
森 敦 (独)農業工学研究所, 主任研究員
松井 宏之 宇都宮大学, 農学部, 助手 (30292577)
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Keywords | 安定同位体 / 水田水域 / 食物連鎖 / 魚類 / 両生類 / トンボ類 |
Research Abstract |
1.谷津田(栃木県市貝町)の水路・水田系に生息する淡水魚の食物網を安定同位体比法で推定した。その結果、谷津田生物の食物網は林地の木本と水路などの草本に由来するC3植物が物質・エネルギーの起源を成しており、藻類、デトリタス、ベントス、貝類、陸生昆虫・クモ類、淡水魚類などの栄養段階が異なる生物の食物連鎖構造が明らかとなった。 2.谷津田(栃木県市貝町)の水田におけるトウキョウダルマガエルの胃内容物などの安定同位体比を分析した結果、上流で排出された鶏舎由来の窒素が植物を経由してトウキョウダルマガエルの体内に転移していることが示唆された。また、幼体と成体の間に炭素安定同位体比の差が存在することから、藻類由来の食物網に属している幼生が上陸後に陸上植物由来の食物網に移行していることが確かめられた。 3.水田環境を構成する各種要素(土、水、イネ、動植物プランクトン、水生生物など)およびのトンボ類の炭素・窒素の安定同位体比に注目し、トンボ類に関する捕食/被食の関係を予察的に考察した。
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Research Products
(1 results)