2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウシIgGの新規免疫調節食品素材としての利用面の探索
Project/Area Number |
16658103
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大谷 元 信州大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30109201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 岳志 信州大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30345764)
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Keywords | 牛乳IgG安定性 / 抗原結合活性 / エフェクター活性 / 細胞培養系 / 経口投与試験 / 液性免疫抑制 / 細胞性免疫増強 / サイトカイン生産調節 |
Research Abstract |
表題研究課題の下に,次の4点から研究を行い,得られた成果は学会活動を通して公表した。 (1)牛乳の加工,貯蔵および消化酵素の作用過程における牛乳IgG生物活性の安定性の確認 脱脂粉乳を冷凍〜室温で1年間保存してもIgGの抗原結合活性は殆ど低下しないこと,低温保持殺菌では抗原およびプロテインGとの結合活性の殆どが維持されること,pH4以上での酸処理,ペプシン処理および弱アルカリ領域での腸管プロテアーゼ処理ではIgGの生物活性の消失は僅かであることを明らかにし,それらの成果を、Animal Science Journal誌に公表した。 (2)マウスへの経口投与試験による牛乳IgG生物活性の糞便としての排出の確認 マウスの胃に牛乳IgGを注入すると,抗原結合活性およびプロテインG結合活性のかなりの部分が糞便として排泄されることを明らかにし,日本畜産学会第103回大会(2004年)で口頭発表した。 (3)牛乳IgGのマウス脾臓細胞培養系における免疫調節機能の探索 牛乳IgG1やそのFcはそれ自体でマイトージェン活性を有すること,IgG1およびそのFcはIL-5,IL-6,IL-10およびTGF-βmRNAの発現を上昇させること,IgG2およびIgG1のFabはTGF-βおよびIL-12mRNAの発現を減少させることなどを見出し,2004年度日本乳房炎研究会で口頭発表した。 (4)牛乳IgG1添加飼料で飼育したマウスの免疫系 牛乳IgG1を飼料重量の0.005〜0.05%量添加した飼料でマウスを飼育すると,液性免疫応答が低下し,細胞性免疫応答,特に自然細胞性免疫応答が著しく増強することを見出し,2005年3月開催の第104回日本畜産学会大会で発表を行う。
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