2004 Fiscal Year Annual Research Report
20α-水酸化ステロイド脱水素酵素による新規ニューロステロイド代謝に関する研究
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16658114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Keywords | 20α-水酸化ステロイド脱水素酵素 / ニューロステロイド / プロゲステロン / ノックアウトマウス / うつ傾向 |
Research Abstract |
近年、脳内においてもステロイドが合成され、神経回路の形成や神経伝達の調節に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。このような脳内のステロイドはニューロステロイドと呼ばれ、主としてプロゲステロンが3α-水酸基還元酵素や5α-還元酵素により代謝されたステロイドから構成されている。一方、我々は最近、プロゲステロンを20α-ジヒドロプロゲステロンに代謝する酵素である20a-水酸化ステロイド脱水素酵素(20α-HSD)が脳内で発現していることを見出した。本研究は、20α-HSDがニューロステロイド代謝酵素として神経興奮の制御に関与していることを明らかにし、脳内における本酵素の新規機能を実証することを目的としている。本年度においては、我々が作出した、EGFPを挿入したターゲティングベクターによって20a-HSD遺伝子をノックアウトしたマウス(KO)、および野生型マウス(WT)を用いて脳内における20α-HSDの発現をRT-PCR、酵素活性測定、およびEGFP蛋白の免疫染色により検討するとともに、脳内プロジェステロン、20α-OHP濃度をラジオイムノアッセイで測定した。さらに、強制水泳試験によりうつ傾向を評価した。その結果、WTマウスの脳内において20α-HSDのmRNAおよび酵素活性が検出されるとともに、海馬、扁桃体を含む脳の様々な部位でEGFP蛋白の発現が確認された。また、KOではWTよりも脳内プロジェステロン濃度が高く、20α-OHP濃度が低い傾向が見られた。一方、強制水泳試験ではKOで不動時間が長くなり、うつ傾向が強いことが示唆された。これらのことから、20α-HSDがニューロステロイド代謝に関与し、これによって産生される20α-OHPが抗うつ作用を持つことが示唆された。
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Research Products
(2 results)