2004 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族塩素化合物の嫌気性浄化プロセスを担う土壌微生物群集の実体解明
Project/Area Number |
16658130
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 新太 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (60185808)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 克英 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 助教授 (90252254)
井上 康 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10293648)
|
Keywords | PCP / PCB / 嫌気性微生物群 / 水田土壌 / ハロレスピレーション / 阻害剤 / 電子受容体 / 電子供与体 |
Research Abstract |
本研究は、芳香族塩素化合物の脱塩素微生物共同体の実体解明を目的とし、その再構築試験を通してその特性を明らかにするとともに利用技術の端緒を拓くことを目指している。PCBおよびペンタクロロフェノール(PCP)を対象化合物としているが、平成16年度は主にPCPを対象に実験を進めた。PCBは分解活性を得るために長期培養を進めている。 (1)PCP分解に対する各種酸化剤および基質、阻害剤添加の分解速度への影響 特性試験の結果から、この微生物群には、異なる2種類が存在することが示唆された。一つの微生物群では、電子受容体の硫酸イオン、硝酸イオンでPCP消失活性が阻害され、電子供与体の乳酸・酢酸により促進した。阻害剤のBESAの影響は無く、モリブデン酸では阻害された。熱処理により活性が失われた。また、H_2分圧4.9%の混合ガス条件では阻害された。この微生物群を液体培地に植え継ぐと活性を消失した。以上より、この微生物群は、低H_2分圧および固形物存在下で働くPCP消失活性を有し、酢酸を利用できる完全酸化型硫酸還元活性を持つ熱感受性菌がPCP消失活性に関与する微生物群であることが示唆された。もう一つの分解微生物群も、同様に低H_2分圧条件下で働くPCP消失活性を有し(H_2分圧4.9%で阻害)たが、電子供与体としてピルビン酸を用いる不完全酸化型硫酸還元活性(酢酸では消失活性無し)を持つ耐熱性菌群がPCP消失活性に関与していることが示唆された。 (2)脱塩素微生物群の活性維持方法の開発 半回分操作に加え、陰イオン交換樹脂を加えることで、PCP分解嫌気微生物群集の活性維持に成功した。
|
Research Products
(2 results)