2004 Fiscal Year Annual Research Report
水耕葉菜類へのデジタルマーキング法によるトレーサビリティの確立
Project/Area Number |
16658134
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
井上 興一 佐賀大学, 農学部, 教授 (50087897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 治比古 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20137243)
染谷 孝 佐賀大学, 農学部, 助教授 (30154719)
中原 光久 九州電力株式会社総合研究所, 生物資源研究センター, 研究員
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Keywords | トレーサビリティ / 食の安全 / 水耕野菜類 / 微量金属元素 / マーカー元素 / 産地偽装 / 植物工場 / 生体内ラベル |
Research Abstract |
平成16年度は、マーカー元素の検索のため微量に含まれる金属元素が市販の葉菜類にどの濃度範囲に含まれるかを調査した。次に、この稀少元素の天然賦存量の値から、植物に微量かあるいはほとんど含まれず、ヒトの健康に安全な稀少元素を選択し、この元素の植物への吸収状況を水耕栽培にて調査した。 1.市販の葉菜類に含まれる微量金属元素の濃度範囲の調査 葉菜類9品種に含まれる金属元素21種類(植物の必須微量元素も含む)について、ICP-AESを用いて分析した。ヒトに安全かつ比較的微量の範囲に含まれる元素を7種類(Ba,Sr,Co,Cr^<3+>,Sn,Mo,Cu)選択した。これらの元素を次の吸収試験に用いた。 2.選択した元素の培地濃度と植物の吸収量との関係 葉菜類はサラダナとリーフレタスを使用した。園試処方1/2単位濃度の培養液にBaとして0.05,0.50,5.00ppm、Srとして0.5,5.0,10.0ppmとなるようにBaおよびSrの硝酸塩を加えた。この培養液で上述の葉菜類を市販サイズまで栽培し、吸収された元素の量を測定した。この2元素については培地濃度の上昇に伴い、吸収量も直線的に増加するのでマーカ元素としての役割を担うに十分であると判断された。また、これらの元素は食品としての安全基準のしきい値が高いことから、濃度的に2段階のラベルが可能であり、今後ある培地濃度を2段階設定し、これに対する植物体ラベル濃度の範囲を検討する予定である。Coについては、0.5,5.0ppmの培地濃度で生育障害を起こし、0.05ppmでは正常に生育し、天然賦存量以上に吸収されるので、1段階濃度でラベル可能であることが分かった。他の選択元素について、マーカ元素になりうるかどうか検討中である。
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