2004 Fiscal Year Annual Research Report
気生微細藻類を用いるバイオフィルターの作成と環境汚染物質除去システムの構築
Project/Area Number |
16658135
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
阿部 克也 工学院大学, 工学部, 講師 (80231950)
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Keywords | 気生微細藻類 / スクリーニング / 寒天培養 / 液体培養 / 光合成色素 / 脂肪酸 / アラキドン酸 / エイコサペンタエン酸 |
Research Abstract |
1.気生微細藻類のスクリーニング 本年度は、山形県米沢市白布温泉、静岡県下田市鍋田海岸、山梨県北都留郡小菅村小菅温泉、および栃木県塩谷群栗山村湯西川温泉にてコンクリート塀など基物の表面に着生した気生微細藻類をスクリーニングした。この4地点から採集した藻類を無菌的に寒天培養した結果、置床してから約3ヶ月後に緑色のコロニーの形成がいずれも観察された。 2.気生微細藻類の液体培養および生体成分分析 寒天培養により形成したコロニーをBold's Basal培地(淡水培地)を用いてそれぞれ液体培養を行った(光強度:50μE/m^2/s、温度:25℃)。その結果、4地点から得られた藻体の生育速度は、白布温泉≫鍋田海岸>湯西川温泉>小菅温泉の順となった。また、藻体の細胞観察を行ったところ、すべての細胞において形状は球状であり、長径は約10μmであった。次に、4地点から得られた藻体の生体成分について検討した。その結果、薄層クロマトグラフィーによる色素分析にいては、特に小菅温泉から採集された藻体から赤色色素(アスタキサンチン)が検出された。アスタキサンチンはカロテノイド中で最も抗酸化作用を示すと言われている色素であり、稀に藻細胞から見つかることがある。脂肪酸分析については。小菅温泉および湯西川から採集された藻体には機能性脂肪酸であるアラキドン酸とエイコサペンタエン酸が多量に含有していることが分かった。 以上、本年度の研究実績の概要について記した。
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