2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物のポリコーム/F-box蛋白質融合遺伝子を用いたアポミクシスの人為的制御
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16658140
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
清末 知宏 香川大学, 総合生命科学実験センター, 助教授 (80241248)
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Keywords | シロイヌナズナ / F-boxタンパク質 / polycomb / アポミクシス |
Research Abstract |
本研究の目的は、胚発生/胚乳形成開始のマスターキー遺伝子であるpolycomb様遺伝子によってコードされているタンパク質を、遺伝子操作により核に存在するF-boxタンパク質に認識させ、任意の時期にユビキチン化を介して速やかに分解させることで、受粉(受精)を経ないで正常な果実(種子)を得る(アポミクシスを人為的に制御する)ことができないかという考えを実験により検証することである。今年度は以下の実験を行った。1)薬剤誘導型ベクターpER8の有効性検討、2)F-box : MEA部分領域融合遺伝子の作成、3)発現誘導型F-box : MEA部分領域融合遺伝子を導入した形質転操シロイヌナズナ植物体作成、4)F-box : MEA部分領域融合遺伝子を構成的に発現する形質転換シロイヌナズナ植物体作成。F-boxタンパク質:GFPをマーカーに用いβ-エストラジオールによるpER8の有効性を検討したところ、薬剤処理した形質転換体シロイヌナズナでは組織の表層細胞にのみ、GFPの蛍光が認められた。この事は植物組織に於いて本薬剤浸透性が十分でない事を意味している。そこで、薬剤誘導型ベクターだけではなく、構成的な発現を行うCaMV35Sプロモーターを用いた目的の融合遺伝子コンストラクの作成と形質転換シロイヌナズナ植物体の作成を行った。このT1植物体を生活環を通して観察したが、種子形成等の異常は認められなかった。これはMEA変異体の表現型と異なる結果であり、本研究を遂行する為には、F-boxタンパク質部分、融合部へのリンカーの導入、タンパク質分解のポジティブコントロール等について検討しなければならないことを意味している。
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