2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
根東 義則 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90162122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 好幸 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70333797)
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Keywords | フォスファゼン / 塩基 / 触媒 / 炭素アニオン / 有機ケイ素 / 結合活性化 / 脱プロトン / 構造解析 |
Research Abstract |
フォスファゼン塩基触媒を用いるエチニル基の変換反応を検討し、末端の水素引き抜きに関しては、既に当量反応では円滑に進行することを確認しているので、触媒反応として成立させるための反応条件を探索し最適条件を見出した。またフォスファゼン塩基で生成した種々のアニオンのエチニル基への付加反応を種々検討し、アミン類、アルコール類が円滑にフォスファゼン塩基触媒で進行した。またトリメチルシリル化したアルキンに対してフォスファゼン塩基が作用し、エチニルアニオンを発生することができることを利用し、カルボニル基への付加、芳香族置換反応への触媒反応への展開をはかった。エチニル基への求核剤の付加反応について、さらに炭素求核剤の付加反応についても検討を行った。また、アミン類の付加において見いだされた興味深いアルキンの二量化反応に関してその一般性を明らかにするとともに、反応機構に対する考察を加えた。また求核剤がアセチレンに付加して中間に生成する炭素アニオンを親電子剤で補足する3成分の連結反応を検討し、その分子内の例としてインドール閉環反応などのヘテロ環化合物の合成反応への利用を検討した。閉環反応は進行するものの3成分連結はまだ達成していない。フォスファゼン塩基により活性化されて生成するアニオンは通常の金属塩基で精製すものとは異なり、特殊な環境に置かれているものと考えられる。反応機構を考察するためにもその構造解析は重要と考えられ、NMRスペクトルによる中間体の解析を行い、従来の金属性炭素アニオンとの性質の違いを明らかにした。また炭素-ケイ素結合に対する活性化の機構についても検討を行い、フォスファゼン塩基とケイ素の直接的な相互作用を示唆する結果が得られた。
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Research Products
(5 results)