2005 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス誘導活性環状ペプチド、クロプトシンの全合成研究
Project/Area Number |
16659006
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (20143000)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 淳 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80250413)
|
Keywords | クロプトシン / 環状ペプチド / 全合成 / アポトーシス誘導活性 / 抗腫瘍活性 / 抗菌活性 |
Research Abstract |
クロプトシンはヒドロピロロインドールカルボン酸、D-バリン、ピペラジン酸、O-メチル-L-セリン、D-スレオニンからなる環状ヘキサペプチドの二量体であり、主に脾臓、腺の癌細胞に対し極めて強力なアポトーシス誘導活性を示す。また、この化合物について、メチシリン耐性グラム陽性菌に対する強力な抗菌作用も見出されている。このように、クロプトシンは医薬開発リードとして非常に注目を集めている化合物であり、その全合成をとおして、誘導体合成に有用な方法論を確立することは非常に意義深い。 昨年に引き続き、畑山と石原はヒドロピロロインドールカルボン酸コア部とペンタペプチド部の合成をそれぞれ検討した。畑山は、昨年確立した方法に従い、2-アミノアセトフェノン誘導体をジアゾ化後、アジ化ナトリウムを作用させ2-アジドアセトフェノン誘導体を合成し、そのトリフラート化に続くアラニン有機亜鉛化合物とのカップリングを検討した。しかし、トリフラート化に向けてのエノラート形成時に、脱窒素を伴った複素環形成が瞬時に起こり目的を達成することはできなかった。 現在、生成物の構造決定を行っている。こうぞうがめいかくに。また、別ルートとして薗頭カップリングに基づく芳香族置換反応も検討した。その結果、THF-MeCN混合溶媒中Pd(PPh_3)_2Cl_2/CUI/Et_3N/Bu_4NIの反応系でほぼ定量的にプロパルギルアルコールを導入できることを見いだした。現在、プロパルギルアルコール部の還元的ヨウ素化に続くアラニン有機亜鉛化合物とのカップリングを検討中である。一方、分担者の石原はD-スレオニン、O-メチル-L-セリン、R-ピペラジン酸、およびD-バリンとS-ピペラジン酸から各種構成アミノ酸の合成を進めている。
|