2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規アレニルセレノニウム塩を用いた反応性の制御と不斉反応への応用
Project/Area Number |
16659007
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
片岡 貞 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 真一 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40275095)
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Keywords | アレニルセレニド / アルキル化 / アレニルセレノニウム塩 / マイケル付加 / 活性メチレン化合物 / フラン / メチレンシクロプロパン |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に従い、ジアルキル及びジアリールアレニルセレノニウム塩の合成を試みた。ジアルキルアレニルセレノニウム塩は、アレニルセレニドのアルキル化及びプロパルギルセレノニウム塩の異性化によるアプローチを検討した。パラホルムアルデヒドを用いたフェニルアセチレンのヒドロキシメチル化、続いて水酸基を臭素化した後リチウムメタンセレノラートと反応させ、メチルプロパルギルセレニドを高収率で合成した。塩基存在下、アレンへの異性化反応はアレニルメチルセレニドを中程度の収率で与え、これをエーテル中-78℃でトリフルオロメタンスルホン酸メチルと反応させ、-1℃まで昇温し、生成した結晶をろ取することでジメチルアレニルセレノニウム塩の単離に成功した。一方、メチルプロパルギルセレニドのアルキル化は速やかに進行し、ジメチルプロパルギルセレノニウム塩を与えたものの、続く塩基存在下アレニルセレノニウム塩への異性化反応は良い結果を与えなかった。ジアリールアレニルセレノニウム塩合成は、すでに合成法が確立されているアルキニルセレノニウム塩合成法を参考に行った。すなわち、無水トリフルオロメタンスルホン酸存在下、アレニルシランとジアリールセレノキシドとを反応させたが、現在のところ目的物の単離には至っていない。 次に、得られたアレニルセレノニウム塩と活性メチレンカルバニオンとの反応性を検討した。2,4-ペンタンジオンとナトリウムヒドリドより調製したカルバニオンとの反応は、フラン誘導体を与えた。一方、マロン酸ジエチルとの反応からはメチレンシクロプロパン誘導体が得られた。すなわち、カルバニオンがセレノニウム塩に対してマイケル付加を起こした後、活性メチレン化合物の電子求引性基の違いにより異なる反応経路を進むという興味深い結果を得た。
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